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Eric Roberson / The Vault - Vol. 1.5

01.Couldn't Hear Me
02.Right Back To You
03.Please Don't Leave Me
04.Rock With You
05.Lil Money
06.Def Ears
07.Past Paradise
08.She Ought To Know (f. Marsh from Floetry)
09.Should We Try
10.Find The Way
11.Be With You
12.Change For Me
13.I Have a Song
14.Rain On My Parade

(総評)

Eric Roberson / The Vault - Vol. 1.5

うちの掲示板でも話題になったERRO(エロー)ことEric Robersonのメジャーデビューとなるアルバムです!実は前年の2003年にはインディーズで発売されSOUL好きな人々の話題を掻っ攫ったアルバムでもあります。ERICK ROBERSONは、ソングライターとしてまず有名な人であり、フィリー系と呼ばれるMusiq、JILL SCOTT、Dweleなどの作品に顔を出していて、Musiq「Mary Go Round」、JILL SCOTT「One Time」など、A Touch Of Jazzなどと作品を作っていますが、いちばん有名なのでは、Dweleの「Hold On」で、これは本当に名曲です。
彼の作り出す音は、このフィリー系独特のネオ・ソウルなオーガニックでありながらも滑らかな作風と、古風なSOULな面がうまく絡み合った作品を作り出す人物であります。そんな彼のソロアルバムなのですが、実はこの作品、2002年に自身のHPでちょこっと宣伝だけして、あとは手売りとインターネットでしか出回らず、一気に品不足になったのでした。そして、このたびP-VINEから日本でメジャーデビューという運びとなりました。実は93年にデビューしているそうなのですがさすがに知りませんし、そのころといえばNew Jack Swing後半でD'Angeloなどが出てくるちょっと前だったので、こういう作風は受け入れられなかったのでしょう。
アルバム全体としては、フィリーっぽいちょっとだるさの入った感じを見せつつも、歌い方としてはすごい丁寧でSOULマナーにのっとったすばらしい歌唱法を披露してくれます。でも、丁寧な歌い方で、聞いていて心地がいい!しかも、彼の曲は哀愁がどこか漂っていて、バラードがいいんですよね。特に前半は、どこか哀愁漂う曲が多く、そして、後半からはSOULFULな楽曲が増えていきます。そして、ハウスとの融合も図っていて、ハウス的な曲調も多く入っていて、幅が広いなーというのが、印象です。濃い歌や、SOULFULな歌い上げ系が好きな人にはオススメできませんが、SOULな雰囲気やフィリー系やMusiqが好きな人には特にオススメできる一枚です!新鮮な味わいがありますよ!

オススメ:(1),(2),(3),(7),(8),(9),(10),(11),(12)

(曲解説)

01.Couldn't Hear Me

非常にまったり〜とした雰囲気のイントロから、ゆったりと歌いこんでいきます。でも決してだれているわけではなく、丁寧に歌いこんでいくのが気持ちがいいです!ゆったりとした中にも、ちゃんとしたリズムがあり体が自然とゆれていきます!そして、徐々に複雑に絡み合っていくメロディーと熱っぽいフェイクがたまらないです。いつのまにか虜になってしまうような曲です。

02.Right Back To You

A Touch Of Jazzのメンバーが制作している良曲!Smoothyな肌触りのサウンドに、やわらかく歌い上げるERROの歌声が泣けます!哀愁漂う一曲ですね。最後にアカペラっぽくなっていくのがいい!ゆったりと聞いて欲しい爽やかでありながら、哀愁たっぷりな名曲です。

03.Please Don't Leave Me

まさにフィリー系といわれる音楽の王道をいっている曲!でも、リズムしっかりしていて、とても聞きやすいながらもしっかりと体の芯に響いてき、またまたせつない〜とてもせつない〜バラードで責めていきます。もう最初のERROの歌うフレーズからして泣けます。こちらもA Touch Of Jazzのメンバーが制作しています。やっぱいい曲かくわ〜。美しく艶やかな歌唱とバックのタイトなトラックを歌いこなしていきます・・・この艶やかでフェイクとかのタメが見事な歌唱はいいですわー。うーん、素晴らしい!

04.Rock With You

たおやかなサウンドにどこか哀愁を残しつつまったりと歌っていく一曲。なんか聞いているときの気持ちよさがたまりません!そして、5曲目の最初にはこれのDub Mixが収録されていて、こちらも素晴らしい出来になっています!ハウスっぽい感じのリミックスで面白いですね〜。この人はこういうゆれる〜感じが好きなんでしょうね〜。

05.Lil Money

最初のやる気のない感じのフレーズから、JazzっぽくRapっぽく歌い上げていきます。そして、徐々に音数を増していくサウンド!バックボーカル!この徐々に盛り上げていく感じがずっと続いていきます!そして、徐々に沈んでいく・・・なんか一曲が一つの流れになっていて面白いですよ。

06.Def Ears

サビのなんかゆっくり流れる雰囲気がいい!それに絡むバックボーカルもカッコいい!久々に歌が中心に据えられている曲でじっくりと聞き込むことができますよ。

07.Past Paradise

JazzyなSaxの音に耳を傾けてしまうIntroから、感情をゆっくりとさらけ出すような歌い方で聞かせてくれるバラードです。とにかくSaxの音色が素晴らしくて、ついつい聞き入ってしまいますよ!オススメ!

08.She Ought To Know (f. Marsh from Floetry)

Floetryのメンバーを招いて、お互いに盛り上げていきますよ!途中から曲調が変わるのも面白いですねー。そして、たまらないのが、Floetryの「オーオーオー」というSOULFULな歌い方!ついつい聞き入ってしまいます!単純に歌い上げ系の盛り上げ方とは違う、こう下のほうからゆっくりと、自分の中で、自分のSOULの中で盛り上がっていく感じが、味があります。

09.Should We Try

ここらへんから、前半のおとなしい印象が徐々にSOULFULで味がある印象に変わってきます!この曲なんか、歌い方がかなりSOULFULで、Musiqなんかを思い浮かべてしまうことでしょう!バックのサウンドも明るい感じなSOULで、晴れやかな雰囲気が今までのちょっと哀愁漂う歌をいい意味で吹き飛ばしてくれます。アルバムの転換点となる曲ですね。

10.Find The Way

ここでは、ドラムのトラックとそれにCOOLにからむERROの歌い方が見ものです!Jazzyでありながら熱っぽいサウンドがいい具合に盛り上げます。かなりサウンドがかっこよくてほれてしまう曲です!

11.Be With You

そして、歌としてはこの曲の歌いだしやメロディーラインはたまらん!もういい曲!っていうのが一発でわかります。R&Bボーカルグループが歌ってもカッコいいバラードで、いい感じなんですよー!この曲はきっと熱いボーカルグループ好きな人にもきっと受け入れられるはず!この熱い歌い上げていくERROの歌い方もたまりませんわ〜。熱く歌い上げてもやっぱり丁寧な歌い方で、安心して聞いてられます!オススメ!

12.Change For Me

ギターが爽やかに軽やかに鳴り響き、テンポアップしてハウスビートが始まります。このSOULハウスっぽい感性ももっていることでERROは、音楽の幅を広げています。体を預けて耳を傾けていると、結構熱く歌い上げるERROの歌い方っていうのが一番出ている曲になっていて、彼の歌声を最高に堪能できる曲でしょう!そして、徐々にこのリズムに体が揺らされていってしまいますよ!

13.I Have a Song

彼のまた違う一面を見せてくれる一曲です!ゆったりと、ハートウォーミングに歌っていきます。ほんと陽だまりのような暖かさをもっていますよ。

14.Rain On My Parade

最後は、曲の展開がよく練られたバラードソング。歌いこまれてるなーという印象がある一曲です!

(Producer)

Redhead Kingpin:(1)
Andre Harris and Vidal Davis:(2)
Osunlade:(3),(4)の後半,(12),(14)
Kev Brown for A Touch Of Jazz Productions:(4)
Eric Roberson:(5),(10),(11)
Dana "C-Bazz" Sorey and Thaddaeus Tribbett:(6),(8)
Paris Bowens:(7)
Jermaine Mobley:(9)
Soundcheck Productions(Dana "C-Bazz" Sorey, Thaddaeus Tribbett, Leonard "Pudge" Tribbett):(10)
J.Dub:(11)
Fred Rosser(13)

(LINK)

☆☆☆☆☆

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