Mark Ronson, RAYE – Suzanne (At The Church) 生の声が触れる距離で

ロンドン出身のシンガーソングライター RAYE は、R&B・ソウル・ジャズを自由に横断しながら、深い感情をそのまま声に乗せるアーティスト。若い頃から作曲家としても評価され、ポップスのフィールドでヒットを生み出しながら、近年はよりパーソナルな表現を追求している。
彼女の歌声には、静かな強さと熱が宿っていて、聴き手の心の奥にそっと触れてくる。

今回の “Suzanne (At The Church)” のライブ映像は、その魅力が最も自然な形で表れている。
教会の静けさの中、RAYE はカーペットの上に座り、まるで自分の部屋で歌っているかのような距離感で声を届ける。座って歌うことで、呼吸の揺れや声のニュアンスがより近くに感じられ、彼女の素の表情がそのまま浮かび上がる。

ギターには Mark Ronson が参加している。
彼の柔らかいリフが RAYE の歌を静かに支え、彼女の自由さを持つ歌のうまさを際立たせている。

映像全体に漂うのは、誠実に歌と向き合う姿勢と、そこから生まれる深い余韻。
RAYE が声を伸ばすたびに、空気がわずかに揺れて、感情が形を帯びていく。
スタジオ録音では味わえない、彼女の“素の魅力”がここにはある。

この動画は、RAYE の音楽が持つ親密さと、彼女自身の表現者としての強さを改めて感じさせてくれる。
以下に Official Video を置いておきます。

UKソウルの息吹き——Tiana Major9 – desire.

柔らかい歌声がそっと触れてくるような、Tiana Major9 の「desire.」。
UKソウルの流れを受け継ぎながら、ジャズのニュアンスとR&Bの温度感を自然に溶け合わせた一曲だ。“Major9”という名前がコードから取られているのも、彼女の音楽性を象徴していて面白い。

彼女の声は、しっかりと聴かせる力強さを持ちながら、押しつけがましさがない。スムーズに耳に入り込み、言葉の端々に宿る“求める気持ち”や”静かな渇望”が、じんわりと胸の奥へと染み込んでいく。深夜の部屋でひとり聴くと、まるで心の内側をそっと照らされるような感覚がある。「desire.」は、激しさではなく、抑えた感情の中にある“揺らぎ”を丁寧に描いた曲。
聴き終えたあとに残る余韻が、静かに心を温めてくれる。

ビートは控えめで、余白の多いアレンジになっていて。
その静けさが、Tiana Major9 の声の柔らかさをより際立たせている。
UKらしい洗練されたソウルとR&B的な湿度が同時に息づくこのバランスは、彼女の歌声の心地よさがなせるものです。

夜の深い時間に、そっと寄り添ってくれるような一曲で、この曲が入ったアルバム全般を通して、彼女の魅力を存分に引き出してくれる楽曲になっている。

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しなやかに揺れるファルセット DESTIN CONRAD – KISSING IN PUBLIC

DESTIN CONRAD の「KISSING IN PUBLIC」は、スマートで静かなセクシーさがゆっくりと広がっていく一曲だ。 流れるようなビートの上で、 彼の少し上ずったファルセットがふわりと漂う。 甘さと儚さが同居したその声は、 聴くほどに癖になっていく。中性的でしなやかなセクシーさも同居している。

曲全体に漂うのは、 “誰かを想う気持ち”のまっすぐさ。 その感情を、飾らず、ただ自然に歌っている。 だからこそ、余計な説明がいらないほど心に届く。

MVは、曲のムードをそのまま映像にしたような美しさがある。柔らかな光に包まれた部屋で静かに佇む姿から、外の空気の中でしなやかに踊るシーンへと移り変わる。挑発的というより “しなやかで強い”。 後半にかけて見せるダンスは、 曲の流れと完璧に重なり合い、 見る者の胸をぐっと掴んでくる。

「KISSING IN PUBLIC」は、 セクシーでありながら静かで、 ダンスの美しさが曲の余韻をさらに深くする。 今もっとも注目されている新人のひとりとして、 これからの作品が楽しみでならない。

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夜に揺れる官能のビート Justine Skye – Thong

Justine Skye の「Thong」は、夜の空気をそのまま閉じ込めたような一曲だ。
セクシーさを上品に昇華した歌とダンスが、ゆっくりと流れていくようなMVになっていて、浮遊感のある心地よさが、聴いていて耳にすっと馴染む。
心地よいビートが静かに脈打ち、 その上を彼女の柔らかい声がゆっくりと滑っていく。 派手さはないのに、耳に残る余韻が長い。何よりサビに向けてのメロディーが静かなのに癖になっていく素晴らしい楽曲です。

タイトルの“Thong”は、なんていう直接的な言葉のようでいて、 Justine の歌い方はどこか上品で、 “誘惑”よりも“自信”を感じさせる。

MVは、光と影が揺れる夜の世界。ビルの照明が不規則に点滅するところも妖艶さを増している。 Justine Skye の妖艶な表情、 そしてポールダンサーのしなやかな動きが、 曲の持つ官能性を静かに浮かび上がらせる。 過剰な演出はなく、 ただ“夜のムード”だけがゆっくりと広がっていく。

「Thong」は、 身体性と静けさが同居する、 Justine Skye らしい大人のR&Bだ。

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静かに息づくソウルの記憶 JANE HANDCOCK – Can’t Let Go

カリフォルニア州のオークランド出身ベイエリア出身のシンガー/ソングライター、JANE HANDCOCK。
彼女の音楽には、“過去のソウル”と“今のR&B”が自然に同居している。
「Can’t Let Go」は、バランスがもっとも美しく現れた一曲だと思う。

ビートはシンプルで、余白が多い。
その静けさの中で、低く響くクールなシンセベースがゆっくりと空気を震わせる。
丸くて温かいのに、現代的なHIPHOP的な低音。
この揺れが、曲全体の呼吸を決めている。JENEの歌もゆったりと包み込んでくれる。元恋人との逢瀬から抜け出せないそんな気持ちを歌っているが、そのまっすぐな言葉が聞き手に届きます。

そしてサビに入ると、ふわりとストリングスが重なる。
その“チャチャッ”と短く跳ねるような入り方が、
思わず Bobby Caldwell「What You Won’t Do For Love」 を思い起こさせる。
メロディーはまったく違うのに、
コードが切り替わる瞬間のストリングスのアクセントだけが
あの曲の甘さと浮遊感をそっと呼び戻す。

サンプリングではない、静かで、もっと控えめな“構造の引用”。
JANE HANDCOCK が持つソウルの記憶が、
現代のR&Bの中で自然に息をしているような感覚だ。

MVは、曲の空気をそのまま映像にしたような静かな世界。
車を走らせ、車の前で気持ちよさそうに歌うJENEの表情に引き込まれていきます。

「Can’t Let Go」は、
過去のソウルを知る人には懐かしく、今のR&Bを聴く人には新しく響く。
その境界線に立ちながら、JANE HANDCOCK は歌っていく。

彼女のアルバムはこの曲以外にも素晴らしい楽曲がたくさんあります。

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