現代に息づくボーカルグループ──Sentury- Dont Mind

4人組実力派ボーカルグループ Sentury の最新曲「Don’t Mind」は、艶やかな歌い方と厚みのあるコーラスワークが堪能できる一曲だ。ゆるやかなR&Bトラックの上で4人それぞれの声質が滑らかに重なり、“2000年代の質感をほのかに漂わせつつ現行R&Bにも自然に馴染む”絶妙なバランスを生み出している。

Senturyはヒューストンを拠点に活動する Leo、CJ、AJ、Rico の4人からなるボーカルグループ。それぞれの声質は異なりつつ、ひとつの呼吸のように溶け合うのが最大の武器だ。リードの滑らかな歌い回し、ハーモニーの柔らかな立ち上がり、低音を支える深い声──この“役割の分担と調和”が、クラシックR&Bの美学を思わせる厚みを生み出している。

近年、ボーカルグループがシーンの中心に立つことは少なくなったが、Senturyはその伝統を現代的な感性でアップデートし続けている。Jeffrey Osborne「Only Human」のカバーで話題を集めたように、クラシックを理解しつつ、2BYGらとともに新しいサウンドの中でその魅力を再構築する稀有な存在だ。

この曲の核となるのは“声の色気”だ。余裕のある艶やかなボーカルが曲全体を包み込み、サビでは声が重なって立体的に広がり、空気を震わせる。2000年代のボーカルグループを思わせる厚みを持ちながら、サウンドの質感は洗練されており、ROMEの歌い方にも通じる“懐かしさ × 新しさ”が際立つ。

「Don’t Mind」は、Senturyの魅力が最も端的に表れた一曲。艶やかな歌い方、厚みのあるハーモニー、そして4人の声が生む独特のフィーリング。こうした楽曲を今も高いクオリティで届けてくれるグループは貴重で、これからも彼らの楽曲を聞きたいと思わせてくれます。

PinkPantheress – Girl Like Me

Pink Pantheress の「Girl Like Me」は、彼女らしい中毒性のある歌い方と、軽やかなハウスの質感が心地よく溶け合う一曲だ。 囁くように寄り添うボーカルは、彼女特有の“淡いのにクセになる”フィーリングをそのまま閉じ込めていて、 気づけば何度もリピートしてしまう。

Pink Pantheress の音楽性は、 UKガラージや2-stepのスピード感と、 ベッドルームポップの親密さを絶妙に混ぜ合わせるところにある。 「Girl Like Me」ではその持ち味がより洗練され、 ハウス寄りのビートの上で、彼女の声がふわりと漂いながら曲の輪郭を描いていく。

MVは セクシーなダンスやユーモアを含んだかわいらしい原色な雰囲気の演出が、 彼女の世界観をそのまま映像化したように広がっていく。 色彩や構図の使い方も独特で、 “Pink Pantheressの頭の中を覗いている”ような感覚になる。 楽曲の軽やかさと映像の遊び心がぴたりと重なり、 印象的な作品として強く記憶に残る。

「Girl Like Me」は、彼女の音楽性の核である“スピード感 × ユニークな世界観”が表れた一曲。 Pink Pantheressらしさを存分に味わえる、魅力的な作品になっている。

ESTIN CONRAD – DIAMOND GOLD

DESTIN CONRAD の「DIAMOND GOLD」は、緩やかなFUNKを軽やかに披露する一曲。 肩の力を抜いたビートの上で、彼特有の柔らかく湿度を帯びた歌声が、ゆっくりと空気をほどいていく。 その声は、甘さと渋さのちょうど中間を漂いながら、独特のフィーリングをつむぎ出す。 こうした“ゆるいグルーヴの中で感情がにじむタイプ”の楽曲だと、彼の良さが自然と浮かび上がる。

MVは白黒の映像美が印象的だ。 色を排したことで、彼の佇まいや動きのニュアンスがより際立ち、 光と影のコントラストが曲のムードを静かに強調する。 淡々とした表情の奥にある感情の揺れや、 ゆるやかに身体を預けるような動きが、 楽曲のFUNK的な余裕と絶妙にリンクしている。

「DIAMOND GOLD」は、派手さよりも“質感”で魅せるタイプの楽曲で、 緩やかなグルーヴ、白黒映像の美しさ、そして彼の声が持つフィーリング。 そのすべてがひとつに重なり、 DESTIN CONRADらしいスマートな世界観を心地よく描き出している。

Eric Bellingere – Just Like You

Eric Bellingerの新譜『Just Like You Are』は、彼が得意とするスムースで温度のあるR&Bを軸にしながら、
“相手のありのままを受け入れる”という、とてもパーソナルで優しいメッセージを丁寧に描いた一曲。

ミッドテンポのビートは軽やかで、肩の力が抜けるような心地よさがあり、
ギターとシンセが作る“温かい空気感”が曲全体を包み込んでくれる。
コーラスの重ね方も美しく、Ericの声の甘さを最大限に引き出している。

彼の楽曲に多い「都会的で洗練されたR&B」よりも、
今回はよりパーソナルで、近い距離感のサウンドに仕上がっている点が印象的です。
オーソドックスなスローバラッドを、Ericらしいさわやかな歌唱で丁寧に歌い上げていく。

この楽曲では“さわやかさ”が前面に出ており、
MVでも美しい風景をバックに、心地よい空気感をそのまま味わうことができます。

Keri Hilsonの復活作 – WE NEED TO TALK: REDEMPTION

Timbaland「The Way I Are」で世界的ブレイクをした、デビューアルバム『In a Perfect World』ではHIPHOP的だったりエレクトロR&B寄りだった楽曲を披露していた、ソングライターとしても有名なKeri Hilsonの14年ぶりとなる復活スタジオアルバムは、より歌心を前面に出した純度の高いR&Bへと回帰しています。ボーカルの表現力がダイナミックで段違いに深化しており、パワフルな歌声に一気に引き込まれます。

そして、彼女の美しさもそのままで、むしろ昔よりもさらに美しくなったのではと思うほどです。
特に「Naked (Love)」でのパワフルな歌は、冒頭から一気に心を掴まれます。すでに“熟成されたボーカルスタイル”と言えて、20年ぶりとなる新作の素晴らしさには圧倒されます。
このBaeのMVのアコースティックバージョンでわかるように歌声に一気に引き込まれます!シンプルな構成でいながら、彼女の歌が前面に感じられます。

Method Manを招いたこのMVはまた雰囲気が違って、最新シーンを取り入れていたHIPHOP SOULな15年前の雰囲気を感じさせます。


ソングライターとしての力もいかんなく発揮されており、より“歌に特化した作品”になっています。Method Manを招いた「Searchin」のかっこよさはさすがKeri Hilsonで、HIPHOP的なクールでかっこいいスタイルをうまく取り入れているのが素晴らしいです。

「Somethin (About U)」でもしっかりと歌心を見せていて、ビートがしっかりしたサウンドの上で伸びやかな歌声を聞かせてくれます。後半のファルセットを混ぜて歌い上げていくところは、思わず聞き入ってしまいます。

前半ですでに圧倒されますが、「Bae」は少し落ち着いた雰囲気で聴かせ、サビの独特のフレーズが耳に残ります。とにかく歌の魅力を前面に出した楽曲で「こんなに歌心あふれるシンガーだったっけ?」と思わせるほどに、MVではセクシーさんも含めてベテランシンガーとしての風格が出てきています。


「Scream」も彼女の歌声を存分に味わえる一曲で、バックトラックは音数少なめで歌声を前面に出して聴かせてくれます。後半の語るような雰囲気も、ギターのバックトラックもクールでかっこいいです。

「Whatever」は少し緩やかな北欧っぽいバックトラックに乗せて、穏やかな歌を披露します。「Weigh Me Down」はサビが印象的な一曲で、ミッドテンポの軽快なフレーズが耳に残ります。


「Say That」はアコースティックなバックに合わせて、しっかり歌で聴かせています。もっと流行に合わせるタイプの人だったので、こういう“ギターとマイク一本”のような曲で歌に特化しているのは嬉しい驚きです。MVでも美しく聞かせてくれます。

「Bitches(Concerned)」では一気に力強いR&Bサウンドに戻り、リズムトラックが非常にかっこよく、その上で力強い歌声を聴かせてくれます。短い曲ですがしっかり盛り上げます。「Sorry(Fess Up)」も短い曲ですが、歪んだようなアコースティックギターの音が印象に残ります。

「1 Hunnit」ではRapperのYoung Thugを招き、15年前の作品に戻ったようなクールなかっこよさがあります。こういう曲は2000年代のHIPHOP SOULを思い起こさせます。

「The Hard Way」はパワフルで伸びやかなボーカルが印象的で、音数少ないリズムトラックの上を泳ぐように歌い上げていくので、メロディーの作り手としての完成度の高さを感じます。

「Again」はシングルカットされた一曲ですが、癖になるメロディアスで盛り上がる曲調はさすがです。このパワフルで一度聴いたら離れないサビもいいし、サビでの低音と盛り上げる男性ボーカルが面白さを増していて、そこからKeri Hilsonの見事なボーカルに圧倒されます。本当に一度聴くと癖になる一曲です。MVも彼女が自由に歌いながら、男女の後悔が描かれていて、繰り返し間違いを犯し続ける姿を描いています。

「Who」も力強いボーカルで一気に盛り上げる曲で、Keri Hilsonのボーカルのうまさがこれでもかと感じられる曲になっています。トラックはわりと変わった音色などが使われていますが、聴くほど癖になっていきます。

「XO」はシンプルなバラードで、柔らかく優しく歌っていきます。この1枚のアルバムでKeri Hilsonのさまざまな歌が感じ取れる作品になっていて、ボーカルが躍動感にあふれています。「Lovin U」はタイトル通り美しい愛を歌い、その綺麗に流れる歌声が素敵です。美しい一曲です。「Thankful」は最後の曲ですが、アルバム全体を通しての力強さを感じさせる曲で締めてくれます。こういうミッドテンポで力強く盛り上がる曲は、彼女の今のスタイルに合っていますね。

Keri Hilsonは14年の空白を経て、歌心を取り戻したかのように見事に歌い上げています。