イギリス・ロンドン出身のR&Bシンガーソングライター、Ella Mai。1994年生まれで、2018年に大ヒットした「Boo’d Up」で一躍その名を知られる存在になった。プロデューサーのMustardとのタッグで生まれるクラシックなR&Bの雰囲気と現代的な洗練されたサウンドを融合させたサウンドは、今のR&Bシーンを引っ張る女性シンガーの一人である彼女ならではの魅力です。
「Little Things」は、Ella Maiの成熟した表現力が光る一曲。しっかりとしたキックとスネアが刻むミッドテンポなビートに、柔らかく流れるようなメロディーとフローが重なり、心地よいグルーブを生み出しています。ミッドテンポのビートに、柔らかなエレピと繊細なハーモニーが重なり、まるで優しく抱きしめられているような感覚に包まれます。
大切な相手との大切な時間を一つ一つを丁寧に映像で見せていきます。お風呂を沸かす、食事を用意する、映画を一緒に観る——そんな日常の小さな愛の積み重ねが、どれほど大きな意味を持つのかを静かに語りかけてきます。
心に寄り添うように包み込む歌声が、聞く人の心にじんわりと染み入る。
Ella Maiのソウルフルな歌声がしっかりと感じられる2000年代R&Bらしさを彷彿とさせる一曲です。
「2020年代」カテゴリーアーカイブ
Tylaが描く新時代の魅力的なサウンド、“CHANEL”
Tylaは南アフリカ出身、2002年生まれの新進気鋭のアーティスト。ジャンルにとらわれないジャンルレスな音楽スタイルで、多くのリスナーを魅了しています。
「CHANEL」は、アフロビーツとR&Bを融合させたサウンドに、アマピアノの軽快なリズムが心地よく溶け込んだ一曲。中毒性のあるフレーズが耳に残り、サビではTylaのセクシーでありながらキュートな歌声が印象的に響きます。
ミュージックビデオもとてもスタイリッシュで、繰り返されるフレーズと映像のループ感がクセになる、不思議な魅力を放っています。Tylaならではの世界観に、気づけばすっかり引き込まれてしまう。
Amber Mark – Pretty Idea:多彩なジャンルを超えて届く現代R&B
ジャンルの枠にとらわれず、感情を音で描くAmber Mark。ニューヨーク出身のシンガーソングライターでありプロデューサーでもある彼女は、R&Bをベースに、ソウル、ラテン、エレクトロなど多彩なジャンルを自在に行き来するスタイルで注目を集めてきた。心に寄り添うような歌声と、自己探求や愛、再生といったテーマを繊細かつ力強く描くリリックが魅力のアーティスト。
そんな彼女の最新アルバム『Pretty Idea』は、感情の旅を音で綴ったような作品。ジャンルを超えたサウンドと、曲ごとに異なるムードが織りなすこのアルバムをレビュー。
『Pretty Idea』の中でもひときわ強い存在感を放つのが「By The End of The Night」。イントロから80年代を彷彿させるような煌びやかなシンセと軽快なビートが、まるでディスコポップを現代にアップデートし、聴く者を一気に引き込まれる。
サビに向かってコードがふわりと浮遊し、思わず身体が揺れてしまうような高揚感を生み出す。どこか懐かしいのに新しい、そんな感覚が心地よく、何度でもリピートしたくなる。
歌詞はロマンチックでAmber Markのボーカルは、甘さと力強さを絶妙に行き来しながら、恋に落ちる瞬間のきらめきと期待感を見事に表現している。アルバムの中でも最もポップで開放的なこの曲は、感情の旅を描く『Pretty Idea』の中で、ひときわ明るく輝く存在である。
そして、”Ooo”も、また趣が違う軽快なビートと浮遊感のあるAmber Markの歌声が心地よい一曲。
”Sweet Serotonin”は、様々なサウンドを取り入れるAmber Markらしい感情が静かに揺れる時間帯を切り取ったような一曲。不安や孤独の中で求めてしまう“甘い救い”のようなものを歌っていて、サウンドは柔らかなギターと、漂うようなシンセが印象的。ビートは控えめでAmberのボーカルも、ささやくようなトーンでそっと歌っている。メロディーはシンプルだけど、言葉の間に漂う“余白”が美しい。
”Too Much”では、Aricia KeysとUsherのMy Booを引用して印象的な一曲になっています。メロディーやフレーズをさりげなく取り入れていて、サンプリング的になりすぎないお洒落なAmber Markらしい洗練されたY2K R&Bサウンドの空気感を現在に表現している。
Anderson PaakをFeatした”Don’t Remind Me”はヴィンテージなソウルの香りをアルバムに吹き込んでくれるインパクトがある一曲だ!70年代ソウルやファンクのエッセンスを多分に感じるキラキラした感じもする楽曲になっている。ファンキーなギターがかっこよくて生音のドラムやホーンなどいかにもAnderson Paakが好きな雰囲気だ。
この曲の中でも一番好きな一曲Let Me Love You。どこか80年代を彷彿とさせるサウンドでマドンナの初期作品を思わせるようなシンセサウンドを聞かせてくれる。Amberの歌い方もセンチメンタルでロマンティックなムードをまとっていて、現在のR&Bとなつかしさが溶け合い届くラブソング。MVではAmberが踊る姿や鏡に映る自分と向き合ったり、自己愛や他者との愛の間で揺れる心を歌っていて、夜にそっと聞きたくなるような一曲だ。
”Different Plaes”では、繰り返されるループがどこか内省的で聞くたびに心に染み込んでいくような一曲だ。The Best of Youではアコギ一本でアコースティックに聞かせてくれるバラード。Amberの優しい声と言葉の魅力が引き立つ。
”Problems”はAmberの内面の強さが表現されたような一曲でシンプルさの中に力強さが感じられます。
”Doin’ Me”は、タイトル通り“自分らしく生きる”ことを肯定するポジティブなアンセム。軽快なビートと跳ねるようなリズムが心地よく、アルバムの中でもスムーズなテンポで展開する開放感のある一曲だ。
アルバムのラストを飾る”Pretty Idea”は、この作品全体を柔らかく包むようなアコースティック曲。Amberの声も、柔らかくアルバム全体を優しく締めくくってくれる。
『Pretty Idea』は、Amber Markの愛のかたちを描いたアルバムだ。ジャンルを超えたサウンドと個性的な楽曲たちは、それぞれに異なるムードを持ちながらも、全体として見事に調和している。聴くたびに新しい出会いがあり、夜の静けさに寄り添うバラードから、心を解き放つようなポップチューンまで、Amber Markの音楽は、聴く人の心の奥にそっと触れてくる。
Queen Naijaの透明感と力強さが光る、Mariah The Scientistとの共演曲「my man…」レビュー
Queen Naijaはミシガン州出身のR&Bシンガーで、2018年から着実にキャリアを重ねてきた実力派。彼女のソウルフルで温かみのある歌声は、透明感がありながらも芯の強さを感じさせ、R&Bサウンドに心地よく溶け込んでいます。
「my man…」は、そんなQueen NaijaとMariah The Scientistによるコラボ曲。2人のセクシーで力強いボーカルが絶妙に絡み合い、恋人への深い愛情、そして自信に満ちた女性の視点が描かれています。サビでは「My man, my man, that’s my man」というフレーズが印象的に響き、恋人との強い絆と誇りを感じさせます。
Mariah The Scientistは、エフェクトを効かせたドリーミーな歌声で、浮遊感のあるフロウを展開。彼女らしい繊細さと自信がにじむボーカルが、Queen Naijaの温かく力強い歌声と美しく対照をなしていいます。
トラックはCamperによるプロデュースで、スローなテンポに指を鳴らすようなスナップ音の軽やかなリズム音と、深くてやわらかく響く低音が重なり合い、夜の静けさを感じさせるムードを作り出しています。音数を抑えたシンプルなアレンジが、2人のボーカルの魅力をより際立たせています。
甘さと強さが共存するリリックと、異なる声質のコントラストが生み出す奥行きが、この曲の最大の魅力。恋愛における自信と情熱を、SEXYで洗練されたR&Bサウンドで描いた一曲です。
声とダンスで魅せる“Mono”の世界── i-dle – 『Mono feat.Skaiwater』レビュー
i-dleの『Mono (feat. skaiwater)』は、人間がそのままの姿で尊厳を大切にして生きていくことをテーマにした、クールで洗練されたR&Bナンバーです。
5人それぞれの個性ある歌声が生かされつつ、タイトルの“Mono”が示すように、繊細で統一感のあるボーカルが重なり合い、楽曲全体に深い一体感を生み出しています。さらに、skaiwaterの独特なラップが曲の世界観をより際立たせています。
MVはモノクロで構成され、5人のヘアスタイルや衣装も大胆に変化しており、スタイリッシュで強い印象を残します。
MINNIEは左右で色を分けたスプリットカラーがクールで、SHUHUAはホワイトカラーの髪色が彼女の透明感を際立たせています。
多数のダンサーとともに披露される迫力あるパフォーマンスは、“一人ひとりが自分の個性を大切にしていい”というメッセージを力強く表現しています。
YUQIは歌声だけでなく、キレのあるダンスも圧倒的にかっこよく、楽曲のクールさをさらに引き上げています。
MIYEONは伸びやかで魅力的な歌声が楽曲の美しさを支え、フェイクも見事。
そしてSOYEONはリーダーとしての存在感に加え、唯一無二の声質と表現力で曲全体を牽引しています。
i-dleはK-POPのGirls Groupの中でもR&Bサウンドの親和性が高く、5人それぞれの魅力が最大限に発揮された、本当に素晴らしい楽曲です。