Durand Bernarr – BERNARR.

グラミー受賞者 Durand Bernarrの最新アルバム!Funkでソウルネスでクールなアルバムがリリースされました。言うまでもない歌唱力の高さはそのままに、どこかファンクなかっこよさを醸し出しながら、
前作BLOOMは新鮮さにあふれた一枚でしたが、「BERNARRは、Durand Bernarrが持つ“黒いファンクネス”を、より濃密で深い層まで掘り下げたアルバムだ。湿度を帯びたグルーヴ、粘りつくようなベースライン、そして声そのものが持つ黒い艶──そのすべてが彼の名前を冠したこの作品に集約されている。
前作のような幅広さがあるわけではないのですが、しっかりと芯が通っているR&BでありFUNKYなアルバムになってて、その歌唱力の高さは様々なフェイクやシャウトからも感じることができます。

1曲目「RIVER」アルバムの扉を開く瞬間から、湿度を帯びたファンクネスが全身を包む。 ベースがうねり、ビートが絡み、Durand の声がその上を滑るように走る。 “表現力の塊”である彼が、ここではあえて余裕を見せつつ、じわじわと熱を上げていく。 この曲がアルバムの方向性──深く、黒く、艶やかに──を決定づけている。

2曲目「HELLO!」イントロの瞬間に景色が切り替わる。
跳ねるメロディーの裏側に、黒いグルーヴがしっかりと根を張っていて、軽快さの中にも“深いところから湧き上がる熱”がある。
後半のフェイクの応酬は、まるでステージ上で即興を繰り広げているかのような躍動感があり、
アルバムの中でも特に“Durandの声の魅力”が際立つ一曲。

3曲目「Undivided」シンプルな構成ながら、音の隙間に彼の声が立体的に浮かび上がる。
FUNKの乾いた質感と、Durand の柔らかい声のコントラストが絶妙で、“削ぎ落としたからこそ見える表情”がある曲。

4曲目「sleep」サビのメロディーが流れるように美しく、どこか懐かしさを感じさせる。
既視感のあるフレーズを、彼独自のニュアンスで塗り替えていくことで、“眠り”というテーマが持つ曖昧さや心地よさが音として立ち上がる。

5曲目「Am I Okay?!」ダークでうねるFUNK。
サビのフレーズは古いSOULの影を感じさせつつ、
現代的な鋭さも持ち合わせている。
“自問自答”というテーマを、音の揺らぎで表現しているのが面白い。MVも自分に問いかけるように始まり不思議な空間が織りなすことで見るものを一気に引き込みます。

6曲目「Homesick feat.VIC MENSA」軽快なメロディーが心地よく、徐々に高揚していく構成が秀逸。
VIC MENSA の存在が曲に都会的な風を吹き込み、
“ホームシック”という言葉の持つ切なさと前向きさが同居する。

7曲目「Sugar Family」アルバムの中でもっとも“自由”が爆発している曲。低音から高音へ一気に駆け抜ける奇妙で魅力的なメロディーは、まさにFUNKの精神そのものです。Guruの黄金期を思わせるような、遊び心とグルーヴの塊です。

8曲目「AYO! feat.BJ The Chicago Kid」柔らかい日差しのような明るさがありながら、アルバムの流れから逸脱しない絶妙なバランス。BJの声が加わることで、曲に“温度差のあるハーモニー”が生まれ、聴くほどに味が出る一曲。

9曲目「SHARP!」イントロから痺れますね~。ビートの鋭さに、Durand の声が切り込むように乗る。サビへ向けての盛り上がりは、ライブで聴いたら確実に体が動きます。クールに印象的なメロディーを入れながら、聞くものを引き込んでいきます。

10曲目「EFFORT.」アフリカンなビートにのって、徐々に熱を帯びていく構成がトランス的な面白さがあります。積み重ねていく音が象徴的です。

11曲目「Waiting feat.Big Sean」ここまで同じエッセンスを感じる曲が多いのですが、その中でもそれぞれが輝く特徴があって、この曲ではもう少しHIPHOPぽいアップテンポなビートが癖になります。

12曲目「Wild Ride feat.James Fauntleroy」低音のビートに、緩やかな歌声がのって心地よく響きます。夜のドライブのような、静かで深い高揚感がある。

13曲目「BLOOM」前作と同じタイトルながら、まったく新しい表情を持つ曲。美しいファルセットが空気を震わせ、
ゆったりとしたループが心をほどいていく。

14曲目「soft. feat. Khalid」奇抜な二人の組み合わせだが、歌は驚くほど純度の高いR&B。Khalid の柔らかい声が、Durand の艶やかな声と溶け合い、“柔らかさ”の中にある強さを感じさせる。

15曲目「My Life」ピアノの美しいトラックにのって、情熱的に歌い上げていきます。後半の転調からの力強い歌声は、アルバムのハイライトのひとつです!

16曲目「I Found Myself」明るい日差しのもと歌い上げていくような開放感。徐々に盛り上がりを見せていく歌唱も素敵です。シャウトのセンスもよくて、一気に引き込まれます。

17曲目「10,000 Lifetimes feat.Sevyn Streeter」男女の掛け合いが美しく、互いの声が高め合いながら曲を完成させていく。
アルバムの締めとしてふさわしい、豊かな余韻を残す一曲。

しなやかに、自由に声で世界を作るアーティスト ─ Durand Bernarr – “Overqualified” (Official Music Video)

Durand Bernarr の「Overqualified」は、彼の持つ表現力の豊かさが最も鮮やかに立ち上がる一曲だ。イントロのシンセが鳴った瞬間、空気が一気に切り替わる。少しレトロで、どこかファンクの香りも漂う音色。その“最初の一音”だけで、もう彼の世界に引きずり込まれてしまう。そこからしっとりと絡むように入ってくる歌声は、柔らかさと艶をまといながら、確かな芯を持って聞き手に響く。

Durand の魅力は、ただ歌が上手いという次元を超えている。声で感情を描き、キャラクターを演じ、空気そのものを変えてしまう。囁くような弱音から、跳ねるような軽さ、ふざけているようでいて突然本気を見せる瞬間まで、その振れ幅の広さが圧倒的だ。「Overqualified」では、その表現力がいつも以上にR&Bへと深く振り切れている。滑らかなメロディーラインに、彼の声がしなやかに絡みつき、曲全体を包み込むように広がっていく。

歌詞は、彼らしいユーモアと自己肯定が混ざり合った世界観だ。“Overqualified=資格過多”というタイトルの通り、自分の能力や魅力を軽やかに誇りながら、どこか自虐的で、でも誠実な視点がある。自分を笑いながら肯定する姿勢は、彼の音楽の核にある“自由さ”そのものだ。過剰であることを恐れず、むしろ楽しむように歌う姿が、この曲の強さと魅力を生んでいる。

ミュージックビデオでは、その表現力がさらに立体的に広がる。ファッション、表情、動き──すべてが彼のセンスで満たされている。コミカルなのにスタイリッシュで、ふざけているようでいて美しい。色彩は鮮やかで、カメラワークは大胆。どの瞬間も“Overqualified”という言葉を体現するように、余裕と遊び心が溢れている。

「Overqualified」は、Durand Bernarr の魅力が最も濃縮された一曲だ。R&Bとしての完成度の高さ、声の表現力、ユーモアと自信に満ちた歌詞、そして映像のセンス。そのすべてが重なり合い、唯一無二の世界を作り上げている。彼の音楽が好きな人にとっても、初めて触れる人にとっても、この曲は“彼の本質”をまっすぐに感じられる作品だと思う。

Durand Bernarr は、幼い頃からプロフェッショナルなブラックミュージックの
現場に触れて育ったアーティストだ。父が Earth, Wind & Fire のツアーで
サウンドエンジニアを務めていたこともあり、家の中には常にソウルやファンクが
流れ、ステージ裏の空気を吸いながら自然と音楽的な感覚を磨いていった。

MVはスタイリッシュで、彼の余裕と自信が映像全体に満ちている。
表情など、ふざけているようでいて、実はすべてが計算されているような、
Durand Bernarr ならではの魅力が鮮やかに浮かび上がる。

彼の音楽を聴くと、自然と笑顔になり、気づけば何度もリピートしてしまう。
「Overqualified」は、Durand Bernarr の“楽しさ”と“成熟したR&B”が
最も美しく同居した作品だ。