ヒューストンを拠点に活動する4人組R&Bグループ、Sentury。
Leo、CJ、AJ、Rico──それぞれの声質が異なるのに、ひとつの呼吸のように重なり合う。その“重厚なのに透明感のあるコーラスワーク”こそ、彼らの魅力である。最新曲「Tonight」は、その魅力が最も端的に現れた一曲だ。
まず耳を引くのは、トラックのシンプルさだ。余計な装飾を削ぎ落としたビートの上で、低音がゆっくりと脈打つ。イントロのギターの柔らかな響きに誘われながらも、静かなビートが生む低音の“揺れ”が曲全体の土台となり、4人の声を引き立てている。派手さはないが、音の輪郭がしっかりと感じられる作りだ。Senturyが所属する独自レーベル Gateway Records ならではの、作品へのこだわりが自然と伝わってくる。
そして何より圧巻なのは、4人の声が重なる瞬間だ。2000年代の香りを残すボーカルワークは見事で、リードが滑らかにメロディを運び、その背後でハーモニーが静かに立ち上がる。高音の抜け、低音の厚み、中域の温度──それぞれの声がひとつの和音として溶け合う。特にサビでは、声が層を成して広がり、まるで部屋の空気そのものが震えるような感覚がある。最後に伸びていく歌声も、余韻として美しく残る。
「Tonight」は、R&Bの黄金期を知る人には懐かしく、今のR&Bを聴く人には新鮮に響く。
4人の声が重なり合うことで生まれる“静かな熱”──その魅力を、Senturyは確かな技術と深い音楽性で形にしている。昨年は Jeffrey Osborne の「Only Human」をカバーして話題を集め、オリジナル曲「Forever」もメロディの美しさが際立つ。どの曲にも、聴く人を自然と引き込む力がある。
近年、再び注目を集めつつあるボーカルグループの中で、Senturyは静かに存在感を放つ一組だ。これからの活動にも期待したい。
You Tube:Sentury Music – YouTube