“静かな浮遊感をまとったR&B — ICONIXX『Paper Planes』

ICONIXX は、ロサンゼルスを拠点に活動する Pop/R&B ガールグループ。
Harley、Shayah、Tia、Tyra の4人が持つ柔らかい声質と、どこか“音の余白”が魅力のユニットだ。
Tia、Tyraと日英バイリンガルのメンバーも在籍していて、グローバルな感覚とそっと滲む感情が自然に同居している。

「Paper Planes」は、サビのメロディーが心地よい中に様々な繊細さと力強さが同居した彼女たちの持ち味が美しく滲み出る一曲だ。ミニマルなビートの上に、シンセと深めのベースがゆっくりと重なり、夜の空気のような冷たさと、体温の残る余韻が同時に漂う。ボーカルは息を多めに含んだウィスパー寄りの歌い方で、語尾を強く閉じず、ふわりと溶けるように処理されている。その柔らかい声が、紙飛行機の比喩と自然に重なり、コントロールを失うような揺らぎを音として表現している。サビに受け手の力強さも感じることができるボーカルが素晴らしい。
恋に溺れていた過去を振り返りながら、まだどこかで揺れてしまう心を“紙飛行機”に重ねて描く。
軽く舞い上がるけれど、風に流されればすぐに形を崩してしまう——
その壊れやすさが、曲全体に静かに漂っている。

MVは暗い夜の部屋の中で進んでいく。
ネオンの光がゆっくりと揺れ、メンバーは男性ダンサーと寄り添うように踊りながら、
MVでは画面を揺らしながら、揺れる心がふっと浮き上がる瞬間や、
逆に落ちていくような不安をそっと映し出している。
日本語がちょっと出てきたりするところはびっくりします。

ICONIXX の歌声はセクシーでありながら、どこか柔らかく、その中に温度を持っている。
耳元でそっと囁くように感情を伝えてくる。
恋の余韻や、まだ手放しきれない想いを、静かに、丁寧にすくい上げている。

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2BYG – Wassup – Vocal Groupとしての復権を決定づける一曲

ついにリリースされたアルバムのシングルカット「Wassup!」。これが最高にかっこいいダンサブルなR&Bになっています。2BYGのシングルの中でも一番好きな曲といっていいほど完成度が高い。

✨ 久々に現れた“本格派”男性R&Bボーカルグループ

ここ数年、R&Bの世界でしっかりと“歌”で勝負する男性ボーカルグループは本当に少なくなってしまった、思い浮かぶのは WonMor、Sentury、No Guidance くらいで、どれも貴重な存在だ。女性ボーカルグループの復刻とともに ここ数年で少しずつ”あの頃の匂い”を感じさえるグループが増えつつある中、 2BYG(To Be Young & Gifted) は、“歌で魅せるグループ”の復権を感じさせる数少ない存在だ。
彼らは テキサス・フォートワース出身の4人組(Matt Brown / Touré / Nixx / KD)で、高校時代のタレントショーをきっかけに活動を始め、 教会で育ったメンバーが多いことから、ゴスペル由来の声の強さとハーモニー感覚がそのままグループの核になっている。 Def Jam からのリリースという点も含め、2020年代後半にこうした“正統派R&Bボーカルグループ”が出てくること自体が嬉しい驚きだ。

🎶 圧倒的なコーラスワーク

「Wassup」でまず耳を奪われるのは、やはり極上のコーラスワーク。 4人それぞれの声質がしっかりと立ちながら、重なった瞬間に生まれる厚みと滑らかさは、近年のR&Bシーンでもなかなか出会えないレベルだ。 単にハモるのではなく、声の表情でグルーヴを作るタイプのコーラスで、2000年代の名グループたちを思い出すような懐かしさがある。
この“Y2Kの甘い香り”が、曲全体の魅力をさらに引き立てている。

🕶️ Y2Kの香りをまとったモダンR&B

トラックはモダンでダンサブルなのに、どこかY2Kの甘い香りが漂う。 メロディの運び方やコーラスの入れ方に、2000年代R&Bの“あの感じ”がふっと蘇る瞬間があって、R&B好きにはたまらない。 それでいて古さはなく、2026年の空気感に馴染むのが2BYGの魅力だ。
特にMVでは、曲の持つグルーヴとコーラスの美しさを引き立てながらも、90年代~2000年代のボーカルグループが持つちょっとした空気感をうまく表現していて、ダンスもあえてそれほどセクシーに寄せすぎず自然な色気を残した演出で曲の魅力を引き立てている。

🔥 2BYGの魅力が最もストレートに出た一曲

アルバムの中でも「Wassup」は、彼らの強みが最もわかりやすく表れた曲である。 コーラスの美しさ、グループとしてのまとまり。 “ボーカルグループってやっぱりいいな”と素直に思わせてくれる、そんな一曲。

まずはぜひアルバムをしっかりと聞いてほしい!これほどに濃厚なコーラスワークを見せてくれる2BYGのアルバムはどの楽曲も素晴らしい。これはまた後日レビューしたいと思う。

2BYG Official Site(Def Jam / UMG 管理) https://2byg.lnk.to/TheYearbook
2BYG – Official YouTube Channel https://www.youtube.com/@2byg
Instagram@2byg_ https://www.instagram.com/2byg
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“Say My Name”が映す、ミヨンの静かな美しさ – MIYEON – Say My Name

ミヨンの「Say My Name」を観ていると、 彼女が“誰かに探してほしい”と静かに願っているような気配が漂う。 i-dle の華やかなステージとは違い、ここでは一人の女性として、 届かない想いを抱えたまま、そっと名前を呼び返している。

🌙 映画のような静かな美しさ

MVは、まるで短編映画のように淡く、静かに進んでいく。 ゆっくりと流れていく時間の中でミヨンのまっすぐな瞳と横顔を映す光と、その一瞬の陰影だけで、抱えている孤独や痛みが伝わってくる。後半の誰かとすれ違いながら日々が過ぎていくような切なさも胸に残る。これまでの“清楚なミヨン”とは違い、成熟した大人の女性としての余韻と哀しみが静かに滲んでいて、 ただ美しいだけではなく、物語そのものを纏ったような表情を見せる。

一人で歩くシーンから誰かとすれ違うようになっていく流れは特に印象的で心のすれ違いと“届かない想い”をそっと映し出している。

🎧 声の余韻で描くバラード

「Say My Name」は、余白を感じさせるピアノの音色が広がり、 ミヨンの柔らかく美しい声がその空間にそっと落ちていく。i-dle では、透明感のある高音でMainを歌うことも多い彼女だが、息を漏らすような囁きとサビでの透き通る歌声が儚さを際立たせている。“名前を呼んで”という言葉は、未練ではなく、「まだ私を見つけてくれますか」という願いに近い。その切実さが、声の中の余韻を生んでいる。

「Say My Name」は、 ミヨンというアーティストの“静かな魅力”を丁寧に照らし出している。 彼女の美しさをただ飾るのではなく、 その奥にある感情まで丁寧に照らし出す作品だ。

Ella Mai – Little Things – 小さな想いが織りなすElla Maiの深く響く愛

イギリス・ロンドン出身のR&Bシンガーソングライター、Ella Mai。1994年生まれで、2018年に大ヒットした「Boo’d Up」で一躍その名を知られる存在になった。プロデューサーのMustardとのタッグで生まれるクラシックなR&Bの雰囲気と現代的な洗練されたサウンドを融合させたサウンドは、今のR&Bシーンを引っ張る女性シンガーの一人である彼女ならではの魅力です。
「Little Things」は、Ella Maiの成熟した表現力が光る一曲。しっかりとしたキックとスネアが刻むミッドテンポなビートに、柔らかく流れるようなメロディーとフローが重なり、心地よいグルーブを生み出しています。ミッドテンポのビートに、柔らかなエレピと繊細なハーモニーが重なり、まるで優しく抱きしめられているような感覚に包まれます。
大切な相手との大切な時間を一つ一つを丁寧に映像で見せていきます。お風呂を沸かす、食事を用意する、映画を一緒に観る——そんな日常の小さな愛の積み重ねが、どれほど大きな意味を持つのかを静かに語りかけてきます。
心に寄り添うように包み込む歌声が、聞く人の心にじんわりと染み入る。
Ella Maiのソウルフルな歌声がしっかりと感じられる2000年代R&Bらしさを彷彿とさせる一曲です。

Tylaが描く新時代の魅力的なサウンド、“CHANEL”

Tylaは南アフリカ出身、2002年生まれの新進気鋭のアーティスト。ジャンルにとらわれないジャンルレスな音楽スタイルで、多くのリスナーを魅了しています。

「CHANEL」は、アフロビーツとR&Bを融合させたサウンドに、アマピアノの軽快なリズムが心地よく溶け込んだ一曲。中毒性のあるフレーズが耳に残り、サビではTylaのセクシーでありながらキュートな歌声が印象的に響きます。

ミュージックビデオもとてもスタイリッシュで、繰り返されるフレーズと映像のループ感がクセになる、不思議な魅力を放っています。Tylaならではの世界観に、気づけばすっかり引き込まれてしまう。